瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

事件

校舎屋上の焼身自殺(8)

鶴川氏のレポートの結論部分に戻るべきなのですが、前回触れたに2001年6月16日夕方に立てられた2ch(5ch)のスレッド「多摩美卒業制作で焼身自殺」を一通り眺めて置きましょう。 まづ「1」番が「何年か前、多摩美の卒業制作に屋上で焼身自殺して、それをビデ…

校舎屋上の焼身自殺(7)

多摩美術大学には2ch(5ch)に2001年6月16日夕方に立てられた単独の怪異談関係の掲示板「多摩美卒業制作で焼身自殺」があって、これについても一通り見て置くつもりなのですが、ここにも女子美術大学の名がちらほら出て来ます。 この掲示板は殆ど書き込みが…

校舎屋上の焼身自殺(6)

・鶴川学「恐怖の"焼身自殺実況ビデオテープ"」(4) 昨日の続きで、前回触れた、2項めに引かれている「東京近郊のG大」に伝わる話を見て置きましょう。153頁3〜8行め、 ‥‥。東京近郊のG大(こちら/も美術系大学)を卒業した女性は、かつて、T大学で語ら…

校舎屋上の焼身自殺(5)

・鶴川学「恐怖の"焼身自殺実況ビデオテープ"」(3) 昨日の続き。 鶴川氏は卒業生と在校生の証言を示してから、152頁1〜4行め、 ‥‥。話のディティールは学生によって若干異なるものの、もともと「七不/思議」では収まらないほどの"怪談"が多く語られるT大…

校舎屋上の焼身自殺(4)

・鶴川学「恐怖の"焼身自殺実況ビデオテープ"」(2) 昨日の続き。 鶴川氏はさらに、直接取材したらしい「T大の卒業生」の「証言」を引く。151頁4〜9行め、 「あの話は学内で非常に有名でした。卒業制作で悩んでいた油絵専攻の学生が大学で一番高い本/館の…

校舎屋上の焼身自殺(3)

・鶴川学「恐怖の"焼身自殺実況ビデオテープ"」(1) 昨日の続きで、2016年1月25日付「稲川淳二「生き人形」(2)」に紹介した不思議ナックルズ・恐怖コレクション『日本“怪奇”伝説』141〜190頁「第三章 怪伝説の真相」の2節め(150〜155頁)鶴川学「恐怖の…

校舎屋上の焼身自殺(2)

10月17日付「閉じ込められた女子学生(14)」の、川奈まり子『実話怪談 出没地帯』からの引用の後に述べたように、私は校舎屋上での焼身自殺について、さほど興味があった訳ではありません。10月19日付「閉じ込められた女子学生(16)」に述べたようにこの件…

校舎屋上の焼身自殺(1)

一昨日、10月18日付「閉じ込められた女子学生(15)」及び昨日、10月19日付「閉じ込められた女子学生(16)」に見たように、[mixi]のコミュニティ「女子美(4年制)」に2004年10月12日に立てられたトピック「6号棟に出るって話し」には断続的に、興味深いコ…

閉じ込められた女子学生(16)

昨日の続き。 川奈まり子『実話怪談 出没地帯』の「母校の怪談」が相模原校舎の怪談の「ソース」として利用している[mixi]のコミュニティ「女子美(4年制)」に2004年10月12日に立てられたトピック「6号棟に出るって話し」では、当初相模原校舎の話題が続い…

閉じ込められた女子学生(15)

川奈まり子『実話怪談 出没地帯』の「母校の怪談」には、川奈氏が在学中の見聞をやや詳しく記した2つの事件の現場の他にも、怪談の伝わっている場所が紹介されています。初出のニュースサイト「しらべぇ」連載の2015/02/18「【川奈まり子の実話系怪談コラム…

閉じ込められた女子学生(14)

川奈まり子『実話怪談 出没地帯』では、昨日引用した事件の概要に続いて、当時、川奈氏が「黒ずんだ染み」を見て「今にも我とわが身を焼かれるよう」な感じがして「悪友たちと面白半分に見に行ったことすらたちまち後悔した」ことや、一方で「同級生の中には…

閉じ込められた女子学生(13)

ここで川奈まり子『実話怪談 出没地帯』の記述の、10月8日付(05)に引いた27頁12行めの続きを眺めて置きましょう。28頁5行めまで ‥‥。絵画を専攻していた学部の四年生が卒業制作に/行き詰まり悩んだあげく、当時「時計塔」と呼ばれていた校舎の屋上に昇り…

閉じ込められた女子学生(12)

それでは前置きが長くなりましたが、2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の、女子美術大学の話に戻りましょう。 屋上で学生が焼身自殺した話は、10月10日付(07)に見たように当初、専ら多摩美術大学の話が書き込まれていました。そこに2004年6月1…

閉じ込められた女子学生(11)

女子美術大学の話に戻る前に、2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」からもう少々拾って置きましょう。過去の書き込みのうち、10月10日付(07)に「73」番まで、10月11日付(08)に「103」番まで、10月13日付(10)に「190」番まで、引用もしくは言…

閉じ込められた女子学生(10)

多摩美術大学関連の怪談について、3日前から見ている2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の続き。従って、今回も「閉じ込められた女子学生」の話題には及びませんが、乗り掛かった舟のようになってしまいましたので、一通り眺めて置きましょう。過…

閉じ込められた女子学生(09)

美術大学関連の怪談について、一昨日から眺めている2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の続きで、今回は「100」番の書き込みと、それに対する「103」番の批判について検討して見ます。従って、今回も「閉じ込められた女子学生」の話題には及びま…

閉じ込められた女子学生(08)

美術大学関連の怪談について、昨日から眺めている2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の続き。――今回、閉じ込められた女子学生の話にはなりませんが、一連の話題ですので題はそのままにして置きます。 ここまで多摩美術大学の話題で盛り上がってい…

閉じ込められた女子学生(7)

昨日の続き。 さて、10月8日付(05)に引用した川奈まり子『実話怪談 出没地帯』27頁9行めに「都市伝説だなんてとんでもない」と川奈氏は述べていましたが、この書き込みをした「296」番は女子美術大学・女子美術短期大学の学生、女子美術大学付属高等学校・…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (3)

昨日の続きで8〜14頁「1987年1月」について、もう少し確認して置きましょう。 8頁下段に、普通の注より一回り小さく、かつ本書には殆ど使用されていない明朝体で、 ×本文中の(P)は投稿者のペンネームで/「まるぴー」と読んでほしい。(本)は本/名で「まる…

「怖い噂」リアル・ホラー・コレクション(1)

私はホラー自体にそんなに興味がある訳ではないので、そういう雑誌も必要がない限り(どんな必要なんだか、と突っ込まないように)手に取ることもありません。 平成21年(2009)5月から平成25年(2013)8月まで18冊が刊行された「怖い噂」は、2016年2月13日…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(18)

・第十七話「孤独死」(8) 場所について、正確な位置を割り出そうなどとは思っていない。解体前の住宅地図を見れば見付けられるだろうけれども、これ以上踏み込もうとは思わない。但し、解体されてから今年で13年になり今や何の痕跡も残っていないだろうか…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(17)

・第十七話「孤独死」(7) それでは、「読売新聞」2004年(平成16年)6月10日(木曜日)付朝刊の記事の、事の詳細に及んだ2段落め以下を抜いて置こう。 調べによると、遺体が発/見されたのは一日午前十一【3段め】時四十分ごろ。二階建て木/造アパ…

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(15)

・第十七話「孤独死」(5) 2月4日付(13)に、小池氏が「平成十六年の六月一日」に見たとする「読売新聞」の引用について、某区立図書館で「読売新聞縮刷版」No.550を書庫から出してもらって見たが、平成16年(2004)6月1日付の紙面には当該記事が見当たら…

山本禾太郎「妻の災難」(1)

昨日は偉そうなことを書きましたが、あのような錯誤は別に珍しいことではありません。いきなり正解には辿り着けないので、ある程度材料が揃ったところで筋を通してみて、その上でなお材料を求めて、その都度、以前に通した筋で良いのか点検していくことにな…

山本禾太郎『小笛事件』(7)

山本禾太郎に関しては、8月31日付(1)にも述べたように山下武「『小笛事件』の謎」から入ったのだけれども、肝腎の『小笛事件』を読む余裕がないのです。それというのも細川涼一「小笛事件と山本禾太郎」を読んだ上では『小笛事件』だけではなく、10月18日…

山本禾太郎「東太郎の日記」(24)結婚

昨日の続き。 さて、主人公山木東太郎に、山本禾太郎こと本名山本種太郎の体験した「事実」が色濃く投影されているとするならば、本作は不明瞭な山本氏の前半生を窺わせる資料として、もちろん「小説」ですから全てを全くの「事実」と単純に捉える訳には行き…

山本禾太郎『小笛事件』(6)

昨日時間切れで書ききれなかった続き。 * * * * * * * * * * 要するに甲賀氏の論拠は、この辺りにあるだろうと思うのです。 小笛は縊死という、通常自殺と判断される死に方をしているのです。そして他殺説の根拠となった「奇妙な姿勢」も窒息時の…

山本禾太郎『小笛事件』(5)

文体が敬体になったり常体になったりしますが、それは書いている内に日によって、内容によって何となく選択しているのです。とにかくこの文体で書けてしまったのだから、別に統一することもないだろうと思って、そのままにしています。 昨日は夕方に出先で踏…

山本禾太郎『小笛事件』(4)

昨日からの順序で云えば甲賀三郎が、平松小笛は被告に復讐するために他殺を擬装した自殺を試みた、という通説(?)に対して「然らず」つまり「そうではない」と述べている「論拠」について述べるべきなのだけれども、前々回からの順序で山下武「『小笛事件…

山本禾太郎『小笛事件』(3)

前回の記事を上げた翌々日、創元推理文庫『日本探偵小説全集11 名作集1』を借りて来ました。 確かに、これを読むと被告・弁護側の迫力に圧倒されそうです。 そこで、通読するのは後回しにして、敢えて山下武「『小笛事件』の謎」を読んだだけの、素人考えを…