瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雜誌

長沢武『北アルプス夜話』(4)

昨日の続き。 ・初出誌「信濃路」の謎(?) 復刻版というと、元版の内容を余すところなく再現しているものと、普通思う。頁付を打ち直したり、新たに凡例や解説を加えることはあっても、元版は影印でそのまま収録されているものと思う。 しかしながら、新た…

長沖一『上方笑芸見聞録』(13)

昨日の続きで、劇場や文学作品、演目、映画その他を列挙して行く。 こちらの方は未定稿で大体の分類はしてあるが、敢えて50音順にしなかった。 【劇場・演芸場】 ナンバ・グランド 25 南の花月 9~11・75~76・87・100・103・118・139・147・154・181 ナンバ…

長沖一『上方笑芸見聞録』(12)

それでは6月1日付(01)に予告した、2000年12月21日までに私が作成した本書の「索引」に、6月2日付(02)に断ったような若干の修訂を加えて、示して置こう。 もとの「索引」では、まづ長沖氏の著作が1字下げで並べてある。 「はだか道中記」横山エンタツの巻…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(3)

昨日の続き。 「昭和の青春」の諸篇を眺めていると、最後がやや尻すぼみになっているような印象が拭えない。しかしながら最後、【14】篇めが「終わりと始まり」と題しているところからして、急に打ち切りになったのではないだろう。 しかしながら、【12】「ち…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(1)

昨日取り上げた歿後刊行の1冊を見て置こう。先日、コロナとは関係なく昨年来休館していた隣の市の図書館が再開していたので久し振りに出掛けて、たまたま書棚に見掛けて借りて帰って来た。 本書の由来は192~194頁「あとがき」に説明されている。筆者の中元…

池内紀『記憶の海辺』(2)

昨日の続き。 ・初出と細目 本書の成立については、354~355頁「あとがき」に次のように述べてあります。354頁10行め~355頁4行め、 はじまりは月刊誌『ユリイカ』の連載だった。二〇一五年五月号から一八回つづけた。それか/【354】ら二年ちかく眠らせてい…

長沖一『上方笑芸見聞録』(3)

昨日見た長沖渉「あとがき」の冒頭に「『上方笑芸見聞録』は朝日放送のPR雑誌『放送朝日』に、昭和四十八年から四十九年まで二年間にわたり二十四回連載された」とある。 そこで、推定される号とその刊年月を、本書の章節と対照させてみよう。【 】に連載…

長沖一『上方笑芸見聞録』(2)

昨日は一昨日の続きを投稿するつもりで、帰宅後準備しようとしたら(1)が投稿されていた。 連休中に、連休明けに本書について投稿するつもりで準備していたのだが、当初(2)として次に上げるつもりだった2000年に作成した索引が、そのまま上げられるよう…

杉村恒『明治を伝えた手』(4)

昨日の続き。 解説1章めには、本書からは割愛した職人について述べたところがある。168頁17行め~169頁12行め、昨日の引用の続きになる。 そして一人ひとりの仕事の中にある本当に専門的な知識については、私にはまだまだ分らないことが多くあった。/【168…

小沢昭一『わた史発掘』(3)

本書が雑誌連載を元にしていることは、読み進めるうちに察せられるのだが、「その十二 道塚篇」の冒頭「反省録」の節の頭に、①単行本172頁3~8行め、②文春文庫184頁3~8行め、③岩波現代文庫194頁3~8行め、改行位置は①「/」②「|」③「\」で示した。 『話の…

能美金之助『江戸ッ子百話』(5)

昨日の続きで鶴見俊輔『不定形の思想』の「小さな雑誌」について。――「思想の科学」が中央公論社から刊行されていたのは昭和34年(1959)から昭和36年(1961)までの3年間である。本書『上』1~2頁、鶴見俊輔「『江戸ッ子百話』の読者として」に「それから十…

能美金之助『江戸ッ子百話』(4)

本書にはその成立事情を窺わせる記述が殆どなく、僅かに2月25日付(1)に引いた『上』1~2頁、鶴見俊輔「『江戸ッ子百話』の読者として」の記述があるばかりであった。そこで2月26日付(2)に『上』、2月27日付(3)に『下』の細目と初出年時を示し、鶴見…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(173)

・青木純二あれこれ(3)泥の中の悲鳴 青木純二は、2020年12月4日付(172)及び2020年12月3日付(171)に見た「嫁が欲しい」と同じ時期に、雑誌「女性改造」の終刊(号になってしまった)号に、似たような内容の文章を書いていました。 ・永畑道子『炎の女―…

和田芳恵の小説モデル研究(2)

続いて昨日触れた次の本のメモを、書影を補い若干の修訂を加えて上げて置く。当時のメモなので現在とは書き方が違っている。2008年2月24日に読み始めて、3月12日読了。 * * * * * * * * * *和田芳恵『おもかげの人々 名作のモデルを訪ねて』昭和51…

北杜夫『マンボウ酔族館』(1)

昨日の続きで、12月13日付「北杜夫『マンボウ響躁曲』(06)」の最後に予告した、渥美清たち所謂「山田組」のタヒチ旅行について述べた北杜夫の「別の著述」について、確認して置きましょう。 ・北杜夫『マンボウ酔族館 パートⅥ』1999年5月25日初版第1刷・…

赤いマント(227)

・岩崎京子の赤マント(2) 以下の草稿は、見出しを付けなかったが実質「・岩崎京子の赤マント(1)」に当たる2016年1月12日付(146)に続いて、同じ日に「赤いマント(147)」と題して書き掛けていたもので、遠からず雑誌版「ラジオ深夜便」を参照して必…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(152)

・青木純二の経歴(20) 昨日までの書誌書目シリーズ(78)『戦前期『週刊朝日』総目次』や国立国会図書館サーチでの検索結果を、取り敢えず(本当に簡単に見られるものにしか当たっていないのだけれども、それでも相当な数になって来たので、ここで)一纏めに…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(151)

・青木純二の経歴(19)「青葉しげる」での執筆活動 この「青葉しげる」と云う筆名(仮名)も、「青葉茂」同様、青木純二以外にも使用する人がいて、国立国会図書館サーチ及び国立国会図書館デジタルコレクションにて検索するに、古いところでは青木純二が生…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(150)

・青木純二の経歴(18)「週刊朝日」の青葉しげる 青木氏が「青葉茂」の筆名を用いていたことは、昨日述べたように『横浜の本と文化』により判明していたが、この筆名での「週刊朝日」への執筆は1点しかない。しかし「青葉しげる」では、昨日引いた書誌書目…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(149)

・青木純二の経歴(17)「青葉茂」での執筆活動 青木氏が横浜時代に「青葉茂」の筆名を使っていたことは、2019年10月28日付(142)に引いた『横浜の本と文化』の「戦後の新聞事情」の節に見えていた。唱歌「櫻井の訣別」の歌い出し「青葉茂れる桜井の」から…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(148)

・青木純二の経歴(16)「週刊朝日」の青木純二 昨日、国立国会図書館サーチの検索結果を示したが、これは全てではない。国立国会図書館サーチに採録されている、国立国会図書館デジタルコレクションに登録されている雑誌や図書がヒットするので、デジタル化…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(146)

・青木純二の経歴(14) 2019年10月30日付(144)から随分経ってしまった。その間、それなりに準備していたのだが、なかなか先に進められずにいたのだが、今回、纏まった材料を得たので報告して置くこととする。 青木純二(1895.6.10~?)が当初、牛尾兵志…

胡桃澤友男の著述(1)

10月18日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(133)」に取り上げた、遠田勝『〈転生〉する物語――小泉八雲「怪談」の世界』の第一部、「小泉八雲と日本の民話――「雪女」を中心に」の「一 白馬岳の雪女伝説」の1節め、16頁3行め~19頁2行め「「怪異・…

鎌倉の案内誌(01)

これも昨日と同じく下書き記事から。2011年8月5日に登録・保存。原文のまま、タイトルに[雜誌]タグを追加したのみ。 * * * * * * * * * *・マップルマガジン(昭文社)25.7×21.0cm・縦書き・オールカラー。 類似する「るるぶ情報版」が中綴じであ…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(66)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(2) 掲載誌の奥付は80頁下左の枠の中に縦組みで、まづやや大きく 山と高原 二月号 (第二三三号) 定価九〇円(送料一二円) とあって半行分空けて定価と同じ大きさで2行「 昭和卅一年 一 月廿五日印刷/ 昭和卅一年 二 月 一 日…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(65)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(1) 9月6日付(47)から「あしなか」第弐百弐拾四輯に掲載された末広昌雄「山の伝説」の本文について検討しました。そしてその最後、9月15日付(56)に「実は依拠したと思しき文献の見当が付いたのですが」と、書きました。こ…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(48)

・末広昌雄「山の伝説」(2) 昨日は、何時の間にか末広氏の行文に話を限定していましたが、そもそも「あしなか」が、学術的報告ではなく、民俗に関する随筆・読物を掲載するような趣の雑誌らしいのです。――以前から昔話や怪異談に関する文献に「あしなか」…

赤いマント(160)

昨日は別に昔のことを書きたかった訳ではなくて、国立国会図書館デジタルコレクションが便利になった、と云う前振りをするつもりが、あらぬ方向に話が展開してしまったのです。 ・「經濟雜誌ダイヤモンド」第二十七卷第七號(昭和十四年三月一日發行・特價金…

「国文学」2誌(1)

ここ数日、なかなか新稿を準備する余裕がないので、それなりに形になっているものを投稿して済ませているが、これもやはり1年前――2016年4月25日に執筆したものである。 院生だった頃には私の周囲にも、両誌に執筆したことのある人や、「解釈と教材の研究」の…

学会誌の訃報欄(4)

遺稿でも調べる機会でもない限り、B氏がどこまで突き止めていたかは分かりません。――改竄や錯簡は、これまで『C』に触ったことのある人のうち、『C』から言葉の用例を摘み食いしただけの人はともかく、『C』を真面目に自分の研究に援用しようと考えた人…