瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

太宰治『人間失格』の文庫本(02)

・角川文庫(2) 角川文庫7501『人間失格・桜桃』平成元年四月十日初版発行・平成七年五月三十日二十四版発行、定価262円、163頁。 カバー表紙の文字は横組み、上5.9cmは白地で、上部に黄土色で標題、その下に著者名。白地の右下部に小さく「角川文庫」。下…

角川文庫の『竹取物語』(07)

・角川文庫12147(1)(ビギナーズ・クラシックス)竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)作者: 角川書店出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2001/09/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 28回この商品を含むブログ (16件) を見る 角川…

角川文庫の『竹取物語』(06)

昨日の朝、蟇蛙が三つ葉の根本にいたのを見たことを書き忘れていた。日曜は昼だったから、日差しを避けて植込みをのそのそごそごそしていたので、まだ日の差さない朝はそこらを歩き回っているのである。 * * * * * * * * * *・角川文庫11912(2)…

角川文庫の『竹取物語』(05)

出先で、外に出ると暗くなって冷え冷えとした風が吹いて来た。駅まで歩いて20分かかるので覚悟して歩き始めたが、半ばを過ぎた頃に降り始めた。折畳傘を差して駅の手前まで来たところで激しく降って来た。 戻ったら雨は止んで、日が差して来た。東に向かって…

森鴎外『舞姫』の文庫本(5)

いろいろ書いたが、もっと酷い目に遭っている人もいると思う。けれども、学界にいることで、見て見ぬふり、つまり黙認をする、ということで共犯のような按配になってしまうので、それはそれで仕方がない。 * * * * * * * * * *・ちくま文庫(1) …

再びコメント欄について(5)

話が脇に逸れたついでに書いて置くと、――返事が来なかった、ということでは、このときも編集担当から返事が来ませんでした。査読結果を送ってしまってから、「掲載可」と返したのなら別に気にする必要もなかったのですが、「掲載不可」として返したので、そ…

再びコメント欄について(4)

後輩との一件は、こんなことになるなら、いっそ初めから私の名前で発表した方がマシなくらいでした。が、私の専門と時代は一致していましたが、正直興味のある分野ではなかったので、第一、その研究に、全く意義を感じなかったのですから。……何も教えてやら…

夏目漱石『明暗』の文庫本(4)

・ちくま文庫(4) 1頁(頁付なし)扉、『夏目漱石全集9』は次に3頁(頁付なし)に「目次」があるが、『明暗』は3頁(頁付なし)に中扉「明 暗」とあって5頁から本文である。『夏目漱石全集9』は5頁(頁付なし)に「夏目漱石全集 9」の中扉があり、6頁(…

再びコメント欄について(3)

けれども、私にとって、このブログは交流よりも継続することに意味があるので、それに目下、毎日書き継ぐのでやっとなのです。私は、大学院では本当に酷い目に遭いました。途中、何度も無気力になり、不登校になったこともありました。たまたま職場に恵まれ…

再びコメント欄について(2)

続き。今回から文体を常体から敬体に変えます*1。 * * * * * * * * * * それから、これは育ち方のせいなのだけれども、手紙を出さないで縁の切れたことが、何度もありました。 父の仕事の都合で、小学校を3つ、中学と高校は別の地方に通ったのです…

再びコメント欄について(1)

金環日蝕は、よく分からなかった。確かにちょっと暗くなったけれども、やっぱり眩しくて見てられなかった。 * * * * * * * * * * 手紙が苦手である。 最初は長文の手紙を書く。書くべきことがあるから書くので、しかもくどい性格だから自然と長文…

夏目漱石『明暗』の文庫本(3)

・ちくま文庫(3) 『夏目漱石全集9』のカバー背表紙は一番上に「な113」とあり、「1」のところは帯状の橙色地になっている。それから「夏目漱石全集 9 明暗」とある。下部は帯に隠れて見えないが「ちくま文庫 780」とあるものと思われる。 『明暗』の…

夏目漱石『明暗』の文庫本(2)

・ちくま文庫(2) 第一刷の帯は幅4.5cm、上部0.3cmのみ白く、他は茶色地。表紙側の中央に白の斜線「/」があり、その左にブロンズ細工のような文字で「今月の/新刊」とあり、右に「エゴにとらわれた醜悪/な人間の百鬼夜行!/遺作『明暗』を収録。」その…

夏目漱石『明暗』の文庫本(1)

・ちくま文庫(1) 気が散りやすくて長い小説を読まないので『明暗』はもちろん読んでいないのだけれども、先月桜の時期に立ち寄った図書館に帯付きのちくま文庫『夏目漱石全集9』があるのを見て、何となく借りて来た。夏目漱石全集〈9〉 (ちくま文庫)作者…

夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(05)

これまでに取り上げた岩波文庫*1と新潮文庫*2が「硝子戸の中」のみで1冊にしているのに対し、他の文庫では作品と抱き合わせたり、或いは抄録したりしている。前者の例としては宝島社文庫*3を取り上げた。今回取り上げる角川文庫も他の作品と抱き合わせている…

中島敦の文庫本(21)

昨日の続きで『ちくま日本文学全集』と『ちくま日本文学』の『中島敦』の比較。 仮に前者を①、後者を②とする。 * * * * * * * * * * カバー裏表紙に収録作品が2段組で列挙されるのは同じだが、①では「マリヤン」から下段になっていたのが②では「マ…

中島敦の文庫本(20)

・ちくま日本文学全集036中島敦 (ちくま日本文学全集)作者: 中島敦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/07メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る一九九二年七月二〇日第一刷発行 一九九六年四月二〇日第三刷発行 定価971円 上…

小泉八雲『怪談』の文庫本(01)

・岩波文庫(平井呈一訳)(1) ①1940年10月10日第1刷発行 ②1965年9月16日第27刷改版発行(205頁) ・1976年4月10日第38刷発行 ¥200*1 ・1983年5月25日第44刷発行 定価200円*2 ・1987年5月11日第51刷発行 定価250円*3 ・1988年5月25日第53刷発行 定価250円…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(10)

・宝島社文庫(3) 本文はそれぞれ中扉裏から始まっている。 単行本は2段組で段の間に横線がある。1段21行、1行26字。 「坊っちゃん」は章ごとに頁を改めている。そのため13頁「一」章末・25頁「三」章末・33頁「四」章末・41頁「五」章末・69頁「八」章末…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(09)

・宝島社文庫(2) 単行本は扉から1頁の頁付があって、奥付が350頁、さらに351頁「本+DVDの貴重な保存版セット/名作クラシック&シネマ・シリーズ」として宝島MOOK(定価780円)4点の広告と「もう一度読みたい日本の名作小説/名作クラシックノベル・…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(08)

・宝島社文庫(1) 読んでおきたいベスト集! 夏目漱石 (宝島社文庫)作者: 夏目漱石,別冊宝島編集部出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/07/07メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る別冊宝島編集部 編『読んでおきたいベスト集! …

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(12)

・380頁6行め「陥し入れた」は「陥れた」。 ・381頁4行め、3つある「彼奴」の3つめにルビ「あいつ」があるが、1つめに移すべきだろう。 ・383頁14行め「……その大川にも不思議と自身が湧いてきた。……」の「自身」は「自信」。 ・383頁15行め「……、大川自信の…

常光徹『学校の怪談』(001)

・講談社KK文庫『学校の怪談』(1) 『学校の怪談』シリーズは、その後『9』まで出るのだが、これが『1』に当たる本で、Amazonでは(1)としているが、現物には番号は入っていない。学校の怪談(1) (講談社KK文庫)作者: 常光徹,楢喜八出版社/メーカー: 講…

夏目伸六『父夏目漱石』(07)

②角川文庫2080 表紙や扉は1月13日付で紹介した『李陵・弟子・名人傳(角川文庫294)』に同じ。但し背表紙は読めなくなっている。標題は表紙・扉・奥付ともに「父 夏目漱石」で、表題作は「父夏目漱石」と詰まる。1頁(頁付なし)扉、3〜4頁「目次」。 内容は、…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(11)

・369頁1〜5行め、三遊亭圓朝『離婚病』の梗概*1の冒頭、 時代は文明開化の世となってまもなく、下根岸もズッと末の方の閑静なところに武家上がりの高根/晋斎という老人が住んでいた。以前は剣術の師範で大層旧弊なこの老人が妹の娘を預かる。妹は横山/町…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(10)

・343頁2行め、この章は「渡辺啓助は本連載にすでに一度登場している。」と書き出している。5行め、次の段落の冒頭も「今春(平成十四年)亡くなった渡辺啓助は戦時中、……」となっている。やはり、単行本にするに当たり、殆ど手を入れていないらしく思われる…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(09)

・317頁2行め、 昭和四十年九月二十三日、交通事故のため死去した楠田匡介(一九〇三〜一九六六)は、…… と書き始めているが、昭和40年は1965年である。コトバンクの「デジタル版 日本人名大辞典+Plus」に拠れば楠田匡介(1903.8.23〜1966.9.23)ということ…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(08)

・237頁6行め、山下氏は富ノ澤麟太郎について「二十六歳で夭折したため」とする。そして12〜17行めに『富ノ澤麟太郎集』を編んだ横光利一の「富ノ澤麟太郎」の結びを引用しているが、その最後「享年二十七/歳。」の「二十七」に山下氏は「ママ」を附してい…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(07)

ブログを始める前に書いていたものを上げたりした時期もあったし、書溜をしていたこともあった。が、今はその余裕がない。山下氏の本については、メモを挙げていくだけだから何とかなると思っていたのだが、昨日は帰宅したのが23時40分頃で、それから慌てて…

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(06)

・180頁8行め「神魂が分離して、同一人の二体を現ず」の「神魂」は「身魂」だろう。 ・185頁9〜10行め「……、微塵に砕け散った試験管や/フラスコから流れ出た毒薬や試験薬や床から猛臭を放つなど、……」の「試験薬や」は「試験薬やらが」とでもあるべきところ…