瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

タクシー幽霊(1)

当ブログはとにかく毎日続けることにしていて、旅行や宴会などで帰宅後投稿出来そうにない場合、前以て投稿して置くことにしている。同じ主題の記事を延々続けたこともあるけれども、数回続けたり連日替えたりと云ったことが多い。同じことを続けると飽きる…

広坂朋信『東京怪談ディテクション』(1)

・『東京怪談ディテクション――都市伝説の現場検証』1998年8月20日初版第1刷発行・定価1700円・希林館・246頁・四六判並製本東京怪談ディテクション―都市伝説の現場検証作者: 広坂朋信出版社/メーカー: 希林館発売日: 1998/08/01メディア: 単行本この商品を…

宮澤賢治『注文の多い料理店』(10)

・角川文庫924(8) 昨日の続き。 改版四十五版の「解説」の次、186〜191頁「主要参考文献/――主として童話を中心に――」については、既に7月25日付(05)に触れたように、末尾の2行(191頁9〜10行め)に「(昭五八・一・一五 改稿)」1行空白があって「(奥…

宮澤賢治『注文の多い料理店』(09)

・角川文庫924(7) 小倉豊文「新しい古典復刻の弁」について、昨日の続きから。 改版四十五版171頁1〜3行め・改版初版215頁3〜5行め・改訂初版199頁11〜13行め、 最後の奥付とその裏面の広告は残念ながらその復刻を省略した。しかし、こ|れは表\裏両面あ…

宮澤賢治『注文の多い料理店』(08)

・角川文庫924(6) 8月24日付(07)からの続きで小倉豊文「新しい古典復刻の弁」について。 改版四十五版168頁3〜10行め・改版初版210頁15行め〜211頁9行め・改訂初版196頁5〜13行め、 ところで、この書の完全な復刻にすこぶる困難な事情がある。というの…

淡谷のり子『私の遺言』(1)

8月16日付「淡谷のり子「私の幽霊ブルース」考証(1)」に指摘したように、淡谷氏は自伝及び自伝的な内容を多く含む人生訓を多数刊行している。ある程度の数は見ていると思うのだが、網羅した訳ではないので順不同で整理して行くこととする。 ・淡谷のり子…

山岸凉子『ケサラン・パサラン』(1)

・MFコミックス(メディアファクトリー)B6判並製本 ・1(2012年7月30日 初版第1刷発行・定価590円・190頁)ケサラン・パサラン (1巻) (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)作者: 山岸凉子出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/07/23メ…

宮澤賢治『注文の多い料理店』(07)

昨日の続き。なお、当初、改訂二十四版を比較の対象としていたが改訂新版を見たので差し替えた。 【改訂新版】平成八年六月二十五日改訂新版発行(234頁)定価420円 昨日の分についても改訂二十四版を改訂新版に差し替えた。 ・角川文庫924(5) 本文は改版…

宮澤賢治『注文の多い料理店』(06)

・角川文庫924(4) 7月25日付(5)にて、丸木俊のカバーの掛かった201頁の改版三十六版・改版三十七版を、昭和58年(1983)の改版と見当を付けた。7月24日付(4)に紹介した、飯野和好のカバーの掛かった201頁の改版四十五版・改版五十版も同版である。 …

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(4)

昨日の続き。 ・ちくま文庫(2) 本体、ざっと見た限りで目録・奥付以外に異同はない。 目録は奥付の前に4頁、1頁10点、明朝体縦組みで大きく標題、著者名、1行23字の紹介文が3行。 第一刷と第二刷、2頁めまでは一致する書目なし。 第一刷2頁め7点めに本書…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(3)

一昨日からの続き。 ・ちくま文庫(1) 第一刷と第二刷のカバーは表紙・背表紙・裏表紙は一致。 カバー表紙折返し、最上部に同じ写真があるが、第一刷は白黒が強調されて影が濃く、全体的に暗い。第二刷は影が薄く調整されている。その下に明朝体横組みで紹…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(2)

昨日の続き。 ・未知谷版(1) 未知谷版は幾つかの図書館で見た記憶があるが、どの本にもカバーは掛かっていなかったから、函に入っていたのであろう。 1頁(頁付なし)「戦中派虫けら日記 目次」。 2頁(頁付なし)下部中央に明朝体縦組みで小さく、 本作…

山田風太郎『戦中派虫けら日記』(1)

山田風太郎(1922.1.4〜2001.7.28)の日記は、まづ大学院の同輩に勧められて昭和20年(1945)の日記『戦中派不戦日記』を読み、そこから遡って本書を読んだ。 『滅失への青春 戦中派虫けら日記』 ・大和書房版 未見。但し都内の幾つかの公立図書館が所蔵して…

横溝正史『金田一耕助の冒険』(3)

6月22日付(2)の続き。 この映画についての大林宣彦監督のコメントは、仕事――発見シリーズ㉖『映画監督』及びその加筆修正版『ぼくの映画人生』を参照した。 ところで、私が問題にしている原作者横溝正史と角川春樹の出演シーンは、6月9日付(1)に引用し…

淡谷のり子「私の幽霊ブルース」考証(2)

昨日の続き。 * * * * * * * * * * そこで思い出すのは、大学時代の友人で、彼女に振られてしまった小説みたいな顛末(詳細はもちろん書けないが)を、ちょうど他に人のいない折に「君だけに話すんだけど」と言いつつ語ってくれた野郎がいて、超硬…

淡谷のり子「私の幽霊ブルース」考証(1)

淡谷のり子(1907.8.12〜1999.9.22)は、私は老婆になってからしか知らなくて、それこそ石原慎太郎(1932.9.30生)が先月、都知事選候補(後に当選)に対して言ったような「大年増の厚化粧」だったから、子供心に怖くて仕方がなかった。昔から化粧の濃い女性…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(7)

図版について。 既に述べたように、章題の下に単行本・岩波現代文庫版にはカットがあるが、旺文社文庫版は省略されている。 同じ図版であることは「=」で繋げることで示した。岩波現代文庫版は単行本の図版をそのまま流用しているので、単行本の直後に( )…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(6)

単行本の本体、頁付があるのは283頁までで1頁白紙、そして奥付。 奥付は横組みでごく一部ゴシック体の他は明朝体、上部に略伝、名前以外は小さい。 加太こうじ*1 1918年東京・浅草に生まれる。 少年時代から紙芝居の作画に従事/し、紙芝居衰退後、1960年よ…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(5)

・単行本のカバー 2013年10月25日付「赤いマント(04)」投稿当時貼付出来なかった単行本の書影をここに示して置こう。紙芝居昭和史 (1971年)作者: 加太こうじ出版社/メーカー: 立風書房発売日: 1971メディア: ?この商品を含むブログを見る Amazon詳細ページ…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(4)

昨日の続きで6章めから、細目を3種の本を対照させながら示す。 * * * * * * * * * *庶民芸術と怨念(単行本67〜92頁・旺文社文庫版68〜92頁・岩波現代文庫版64〜93頁) 『黄金バット』(単行本〜69頁5・旺文社文庫版〜70頁4・岩波現代文庫版〜66頁…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(3)

それでは昨日の続きで、単行本・旺文社文庫版・岩波現代文庫版の本文を比較して見よう。 なお、2014年2月19日付「赤いマント(119)」にも触れたように、岩波現代文庫版は旺文社文庫版の存在に全く触れておらず、底本についても、奥付の前の頁、下半分中央に…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(2)

昨日の続き。 昨日、旺文社文庫版についてかなり細かく紹介して見たが、今日になって、あちこちの図書館にある岩波現代文庫版や、書庫に収まっているが幾つかの図書館に所蔵されている単行本に比して、旺文社文庫版は殆ど見掛けない(そもそも旺文社文庫が公…

加太こうじ『紙芝居昭和史』(1)

私は街頭紙芝居を見た世代ではなく、実演は下町風俗資料館や昭和館で見たくらいです。紙芝居の世界 完全保存版作者: 昭和館出版社/メーカー: メディア・パル発売日: 2012/03/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 昭和館の特別企画…

偽汽車(2)

昨日、岩佐東一郎『隨筆くりくり坊主』から「近所界隈」の、人力車の乗客が消えた話を検討して見た。自分達が死んだ辺りで人力車に乗って、そしてその念が及ばなくなったところで消えた、と云う解釈になろうか。しかし五六人が一斉に、全く跡形もなく消えた…

消えた乗客(1)

・大正期、大森駅近く、人力車 昨日久し振りに触れた岩佐東一郎(1905.3.8〜1974.5.31)の『隨筆くりくり坊主』には、怪談めいた話は殆どないのだけれども、52篇め、一八八〜一九五頁2行め「近所界隈」に、埋もれてしまった事故と、それに由来する怪談につい…

岩佐東一郎『隨筆くりくり坊主』(1)

本書については2013年11月4日付「赤いマント(14)」に略述した。書名に幾通りかあることにも注意して置いたが、記事の題としては二九四〜二九七頁「あとがき*1」の冒頭に「 この「隨筆くりくり坊主」は、僕の三册目の隨筆集である。‥‥」としているのに従っ…

宮澤賢治の文庫本(20)

・角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』(7) 改版四十八版と改版五十版の本体について比較して見る。 鳳凰は翼と脚を拡げて羽を銜える。 272〜281頁「年 譜」は、末尾に「(奥 田 弘 編)」とある。これは角川文庫7381『風の又三郎』初版・十版の159〜168頁…

宮澤賢治の文庫本(19)

・角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』(6) 飯野和好のカバー表紙は、2015年7月16日付(01)に改訂新版の書影を貼付して置いたが、実はそれ以前にも同じ絵を使用したカバーが掛かっていた。 【改版三十九版】昭和三十二年十一月十五日初版発行・昭和四十二…

宮澤賢治の文庫本(18)

・角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』(5) 2015年7月19日付(4)の続き。 改訂十八版のカバー裏表紙、左上、バーコード1つめ「9784041040027」は改版四十八版・改版五十版・改訂新版・改訂八版に同じ。2つめは「1920193005141」その下に「ISBN978-4-04-1…

赤いマント(152)

・阿部眞之助「赤裏のマント」(2) 当時のジャーナリストの反応としては、従来、当ブログでも2015年4月30日付(144)等しばしば言及して来た大宅壮一(1900.9.13〜1970.11.22)の「赤マント社会学」が知られて(と云うほどでもないのですけれども)おり、…