瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

赤いマント(240)

・森川直司『裏町の唄』の「赤マント」(1) さて、これまで森川直司(1927.3.10生)の著述を検討して来たのは、森川氏の赤マント流言体験を確認するためだったのですが、4月19日付(239)にも触れたように、森川氏の述べる時期が、昭和14年(1939)2月では…

森川直司『裏町の唄』(29)

昨日から続けて、昭和19年(1944)に就職した軍需工場、父と弟妹4人を失った東京大空襲、それから戦後の旧制専門部に触れても良いかと思ったのだが、その前に次の件について済ませて置きたい。 ・森川氏の住所 1月16日付(16)に引いた「投稿 風便り」op.28…

森川直司『裏町の唄』(28)

・森川氏の進学先(2)行軍・私立の商業学校 進学先についての纏まった記述は昨日挙げた開墾作業と教練くらいで、後は断片的な記述を拾って行くよりない。 やや纏まった記述としては、『昭和下町人情風景』Ⅲ 人 情【6】「カッコウ」に、151頁15行め~152頁…

森川直司『裏町の唄』(27)

・森川氏の進学先(1)開墾・教練 本書は深川で過ごした小学生時代の回想が中心で、進学先が何処の、どういう学校だったのか、はっきり説明されていない。 中学生時代のことは、幾つかの印象的な出来事が特に詳しく書かれているばかりで、全体像は一向に見…

森川直司『裏町の唄』(26)

ここまで、森川氏の母校の元加賀小学校と、隣接する明治小学校、プールの講習があった臨海小学校、そして主要な進学先であった明川高等小学校に不十分ながら触れて、この項は終わりにするつもりだったのだが、もう1つ小学校を追加して置くこととした。 ・元…

森川直司『裏町の唄』(25)

・元加賀小学校と周辺の小学校(3)明川高等小学校 戦前の公立小学校で、進学する生徒のために放課後に補習が行われていたことについて、4月15日付「赤いマント(235)」に児童文学作家の岩崎京子(1922.10.26生)の回想を引いて「当ブログに取り上げた人々…

森川直司『裏町の唄』(24)

・元加賀小学校と周辺の小学校(2)臨海小学校 周辺の小学校については、『昭和下町人情風景』Ⅱ 下 町【21】「プール」に再録されている本書【42】「プ ー ル」にも記述がある。本書179頁2~11行め(改行位置「/」)=『昭和下町人情風景』118頁2~11行め…

森川直司『裏町の唄』(23)

・元加賀小学校と周辺の小学校(1)明治小学校と大富小学校 昨日見た「入 学」から、もう少々書き抜いて置こう。 『裏町の唄』14頁14行め~15頁7行め、『昭和下町人情風景』81頁12行め~82頁4行め、前者の改行位置を「/」で、後者の改行位置を「|」で示し…

森川直司『裏町の唄』(22)

・森川氏の小学校入学 昨日の続き。 森川直司(1927.3.10生)が深川区で過ごしたのは、12月25日付(02)に引いた『裏町の唄』と『昭和下町人情風景』の「まえがき」にあったように、昭和7年(1932)夏の末から昭和20年(1945)3月10日の東京大空襲までである…

森川直司『裏町の唄』(21)

・森川氏の幼少期 1月20日付(20)まで、森川氏が「参禅専門道場 大本山活禅寺」HP内の「風便り」と云うページに「森川秀安」名義で投稿している随想を一通り眺めて、そのままになってしまったが、これにて森川氏の少年期を回想した著書とネットで読める文章…

図書館派の生活(6)

昨日まで児童文学作家岩崎京子の赤マント流言体験について、私は3つの市の図書館から借りた5冊の本を使用して検討した。 普段だったら途中で返却期限が来て、その本を別の図書館で借り直して対応するのだけれども、上手く借りられなかったりしているうちに他…

赤いマント(239)

・岩崎京子の赤マント(14) 最後に、大人になってから気付いた、【D】知る人の少ない赤マントと云う事実について、述べたところを見て置きましょう。③『現代に生きる妖怪たち』には、これに当たる記述はありません。 ① 赤マントはわたしたちにとって、かな…

赤いマント(238)

・岩崎京子の赤マント(13) 4月15日付(235)からの続きで、今回は【C】岩崎氏たち女子の対応について確認して置きます。 ①64頁3行め~66頁7行め わたしたちは赤マントがこわくて、とても勉強どころではありませ/ん。先生はそわそわしているわたした…

赤いマント(237)

・岩崎京子の赤マント(12) 今回は【B】赤マント流言の内容の、①『紫ババアレストラン』にのみに見える説明を、昨日から続けて確認して行くこととしましょう。 女の子の生き肝、と云うと上方落語「肝潰し」を思い出しますが、2013年11月20日付(030)に見…

赤いマント(236)

・岩崎京子の赤マント(11) 昨日の続きで、今回は【B】赤マント流言の内容について確認して見ましょう。 ①59頁3行め~63頁*1 最初に赤マントの話を教室にもちこんできたのは、ゆみちゃんでし/た。*2 「夕方になると赤マントがでて、女の子をねらうん…

赤いマント(235)

・岩崎京子の赤マント(10) それでは岩崎氏の赤マント体験について、前回一覧に挙げた文献①②③の記述を確認して行きましょう。 【A】当時の岩崎氏の状況 【B】赤マント流言の内容 【C】岩崎氏たち女子の対応 【D】知る人の少ない赤マント 岩崎氏の述べて…

赤いマント(234)

・岩崎京子の赤マント(9) それでは、岩崎氏の赤マント体験について、その本文を確認して行きましょう。 ①『紫ババアレストラン』(2006)59~66頁「赤マント」61頁(頁付なし)下と65頁(頁付なし)はイラスト。 ②『昔話と絵本』(2009)35~53頁…

赤いマント(233)

・岩崎京子の赤マント(8) 前回見た『昔話を語る女性たち』の奥付の裏に「遠野昔話ゼミナール2008 絵本と昔話」の告知が出ています。平成20年(2008)11月29日(土)と11月30日(日)の2日間で、1日めの 13:30~14:30 に石井正己の基調講演、次に「14:30~…

赤いマント(232)

・岩崎京子の赤マント(7) 石井正己 編『児童文学と昔話』に載る岩崎氏の講演「子どもたちへのプレゼント」の、続きを見て行きましょう。30頁7~14行め、 もう一つ、私、お地蔵様に幼友達がいるんです。世田谷区の経堂*1という所で過ごしましたけれど、駅…

赤いマント(231)

・岩崎京子の赤マント(6) 同じような話を、岩崎氏は児童文学と昔話フォーラム(2011年3月6日、東京学芸大学にて)でも語っています。 ・石井正己 編『児童文学と昔話』平成24年3月2日 初版発行・定価1700円・177頁 書影は4月8日付(228)に示しました…

赤いマント(230)

・岩崎京子の赤マント(5) 昨日の続きで、石井正己 編『昔話を語る女性たち』掲載の岩崎京子「『かさこじぞう』の誕生」から、岩崎氏が幼少時に住んでいた場所について述べた箇所を見て行きましょう。125頁12行め~126頁10行め、 私は、生まれたのは巣鴨(…

赤いマント(229)

・岩崎京子の赤マント(4) 岩崎京子(1922.10.26生)の経歴については7年前、B区立I図書館に初めて行った際に、2階の参考資料室にあった2種の人名事典の記述を書き抜いて置いたのですが、そのメモをなくしてしまって、それが岩崎氏の赤マント体験について…

赤いマント(228)

・岩崎京子の赤マント(3) さて、私は赤マント流言の体験談を検討する場合、当人の経歴について確認する必要があると思っています。 東京で赤マント流言が広まったのは昭和14年(1939)2月下旬頃です。大人はこんなことを怖がりませんし、怖がったとしても…

赤いマント(227)

・岩崎京子の赤マント(2) 以下の草稿は、見出しを付けなかったが実質「・岩崎京子の赤マント(1)」に当たる2016年1月12日付(146)に続いて、同じ日に「赤いマント(147)」と題して書き掛けていたもので、遠からず雑誌版「ラジオ深夜便」を参照して必…

花粉サイクリング(5)

昨日の朝は 36.1℃ だったのだが、今朝は 36.6℃ で午後測ったら 36.5℃ だった。花粉の中50kmもサイクリングしちまったんだから、花の具合は、いや鼻の具合は全くと云って良いくらい悪化していないが、それなりに吸い込んでしまった訳で、それで喉や肺に炎症が…

花粉サイクリング(4)

一昨日からの続き。4月3日(金)の午後のこと。 * * * * * * * * * * 用水跡から離れるので、少し登りもある。 そして、今度の左折のポイントは誤りなく通過することが出来た。踏切を越え、道沿いの学校の桜が満開で、本当に気持ちが良い。思えば…

花粉サイクリング(3)

昨日の続き。以下、今日と云うのは4月3日(金)のこと。 * * * * * * * * * * 今日行こうと思っているのは、都内の、2011年4月12日付「花粉サイクリング」の頃の職場の近くの図書館で、その頃から通い続けている。それからその隣の区の図書館も返…

花粉サイクリング(2)

セキュリティソフトの会社から、先月何百件もブロックしましたとか云う通知が来て、何か悪いことしたか? と思ったのだが、日本のニュースが信用出来ないので、海外のニュースサイトをせっせと覗いたせいらしい。それもこれも自宅待機が長く続いているからで…

赤いマント(226)

・北川幸比古の学年(5) 谷川俊太郎との関係は「谷川俊太郎 作、北川幸比古 編、中山智介 画」の次の本を見れば分かるでしょうか。 ・美しい日本の詩歌⑥『谷川俊太郎詩集 いしっころ』1995年11月10日・定価1,500円・岩崎書店・102頁・B5変いしっころ―谷川…

赤いマント(225)

・北川幸比古の学年(4) 昨日の続き。 Wikipedia「北川幸比古」項の、北川氏が「谷川俊太郎とは高校の同級生で」の根拠となったのは、「図書新聞」No.3033(2011年10月08日)掲載の内堀弘の連載「古書肆の眼」の「的場書房のこと――たった二年間の活動なが…