瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

怪異談

坪野鉱泉(2)

昨日の記事は別に公開中の映画に便乗した訳ではなくて、本当にただ何となく思い付いて、最近度々活用している富山県立図書館の「郷土資料情報総合データベース」を検索して見たまでだったのだが、映画で盛り上がっているせいか、早速埋没しそうである。まぁ…

みずうみ書房『昔話・伝説小事典』(6)

・項目一覧表 ①『昔話・伝説小事典』と③『昔話・伝説を知る事典』の項目を一覧表にして見た。考察は次回に回す。「*」の付いた項目は2021年12月3日付「白馬岳の雪女(090)」に見たように「* 印は子供の文化関連項目」である。なお、①の目次には「◇」の付い…

みずうみ書房『昔話・伝説小事典』(4)

昨日の続きで、①『昔話・伝説小事典』3頁「凡 例」7項目(2~27行め)と③『昔話・伝説を知る事典』8頁「[凡例]」8項目(2~17行め)の比較の続き。 ①の4項め(10~11行め)は年を「西暦(年号)年」で示したことで③の4項め(9行め)も同じ。但し本文は①は横組…

白馬岳の雪女(102)

一昨日からの続きで、今回は今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』から、「雪女」譚に類似する、山小屋に泊まっていた杣や猟師たちが、訪ねて来た何者か(大抵は若く美しい女)に夜中、寝入っているところで(纏めて)殺される、と云う話を拾って置こう。 ま…

白馬岳の雪女(101)

昨日の続きで今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』第十一章「雪女」の本文について、見て置こう。まづ現代教養文庫261~266頁11行め・中公文庫(下)94~100頁4行め「一 雪 女」について、仮に算用数字で番号を打ち、前者を①、後者を②として頁・行、体験者も…

白馬岳の雪女(100)

2021年7月21日付(002)以来何度か、牧野陽子が仮に当ブログでは旧稿とした「ラフカディオ・ハーン『雪女』について」と、同じく牧野氏の新稿と呼ぶことにした「「雪女」の〝伝承〟をめぐって―口碑と文学―」にて、今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』の雪女…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(4)

昨日の続きで、今回は中公文庫版(下)に相当する現代教養文庫版の章を、中公文庫版と比較しつつメモして置く。要領は昨日に同じ。 ・中公文庫『日本怪談集妖怪篇(下)』2004年6月25日 初版発行・定価895円・中央公論新社・203頁日本怪談集妖怪篇〈下〉 (中…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(3)

2021年12月8日付(2)に予告した、中公文庫版との比較。 ・中公文庫『日本怪談集妖怪篇(上)』2004年6月25日 初版発行・定価933円・中央公論新社・219頁日本怪談集妖怪篇〈上〉 (中公文庫BIBLIO)作者:今野 円輔中央公論新社Amazon 中公文庫版の装幀や、新…

道了堂(13)

小池壮彦『怪奇事件の謎』の「「道了堂跡」に刻まれた"悲史"と"タブー"」の初出は、2011年1月12日発売の「怖い噂」Vol.8のようです。怖い噂 VOL.8―世の中の”怪”を読み解くエンターテインメント・ミステリアス・マガジン (ミリオンムック)ミリオン出版Amazon す…

道了堂(10)

・Wikipedia「道了堂跡」(4)編集合戦③ 一昨日からの続き。 こうして再度「保護」された「道了堂跡」項は2011年6月3日まで編集出来なくなっていました。2011年6月4日にはHN「麗花」が保護されていた「道了堂跡の異なった側面」が削除された版を取り消して…

道了堂(09)

・Wikipedia「道了堂跡」(3)編集合戦② 昨日の続き。 2011年2月15日から3月15日まで保護されて編集出来なくなっていましたが、2011年3月16日にHN「麗花」が「(保護期間終了/要出典)」の書き込みをしたところから、2011年3月21日までに「道了堂跡の異なった…

道了堂(08)

・Wikipedia「道了堂跡」(2)編集合戦① ネット検索で一番に上がって来る Wikipedia「道了堂跡」項は、前回引用した立項当日(2009年12月17日)のHN「多摩に暇人」の投稿が、やはり前回引用した現行の版(最終更新 2021年12月24日)まで、その土台となって…

道了堂(07)

・Wikipedia「道了堂跡」(1) 小池壮彦が、2016年刊『怪奇事件の謎』で、後付けの知識で誤って書いてしまったと私が考えているのは、125頁9~10行め「‥‥。道了堂はすでに解体されていたが、残骸はまだあった。寺跡に続く‥‥」との記述です。1996年刊『東京…

道了堂(06)

・小池壮彦『怪奇事件の謎』(5) 昨日、一昨日の最後に小池氏が「結果的に当初の予定通りの現場に足を踏み入れていたことになる」と書いていたことに突っ込む機会を失していました。――小池氏は結局、助教授教え子殺しの現場を全く把握しておらず、その後得…

道了堂(05)

・小池壮彦『怪奇事件の謎』(4) それでは2項め、124頁11行め~127頁「心霊スポットである以前に/“禁忌の場所”だった」を見て行きましょう。 まづ125頁13行めまでで1行分空白を作って切っていますが、ここまでが『東京近郊怪奇スポット』8頁の現地レポー…

道了堂(03)

・小池壮彦『怪奇事件の謎』(2) 昨日の続き。どうもこういう話題になると常体では調子が狂うので、今回から文体を敬体にします。 さて、立教大学助教授教え子殺しについては、東京の美術系大学の怪異談・怪事件について検討した際に、殺害・屍体遺棄現場…

道了堂(2)

・小池壮彦『怪奇事件の謎』(1)*1 小池壮彦が道了堂を取り上げたのは1996年刊『東京近郊怪奇スポット』が最初ではないか、と思われるのだけれども、2013年2月27日付「小池壮彦『東京近郊怪奇スポット』(2)」に見たように、この本は1つの場所を見開き2…

道了堂(1)

道了堂跡には行ったことがない。行くつもりもない。最近、越中や北アルプスのことを取り上げているが、行く予定はない。富山市と長野市には行きたいと思っているけれども、目的地は図書館と本屋で、山に登ったり伝説の場所に行ったりと云ったことは考えてい…

白馬岳の雪女(096)

・三浦秀夫『妖怪変化譚 日本の異界へ』2003年 9月30日初版第1刷印刷・2003年10月10日初版第1刷発行・定価1500円・鳥影社・165頁・四六判並製本妖怪変化譚―日本の異界へ作者:三浦 秀夫鳥影社Amazon カバー表紙折返し、右下にゴシック体縦組みで小さく「装丁 …

長沢武「北アルプスの怪異伝説」(1)

・シリーズ 山と民俗6『山の怪奇・百物語』(1) 記事の題にしたのはこの本に、当ブログで『北アルプス夜話』や『北アルプス白馬連峰』を取り上げた長沢武が寄稿した文章である。この山村民俗の会 編『山の怪奇・百物語』の書影は2018年3月23日付「田中康…

白馬岳の雪女(095)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(5) 昨日の続き。 5 白馬につたわる話 【1】白馬の雪ん子(女の子) 174頁2~5行め、前置きの後半、4~5行め「‥‥、村の人々は深い山並みのどこかに雪ん子がいると信じて、いい伝えてきた。そして、本/当に見たとい…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(2)

・現代教養文庫1055(2) 昨日の続きで「はじめに」の最後の方を見て置こう。6頁2~12行め、 編者の聞書、採集以外の資料については、本文に関係深い部分だけの再録にとどめた。原文は/できるだけ尊重したが、一部分の抜書で充分でない場合は、前後を要約…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(1)

①現代教養文庫1055(1981年12月30日 初版第1刷発行・定価560円・社会思想社・342頁)*1 日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫)作者:今野円輔社会思想社Amazon カバー表紙、標題は白抜き、副題は灰色の明朝体、編者名は副題と同じ大きさのゴシック体灰色、その下…

白馬岳の雪女(090)

・大島廣志の「雪女」(2) 8月9日付(013)に、大島氏が昭和62年(1987)4月に世間話研究会の例会で「小泉八雲の『雪おんな』と雪女伝承」と題する発表をしていることに触れた。その内容は、その12年後に発表した論文「「雪おんな」伝承論」に反映されてい…

赤いマント(327)

・五木寛之の赤マント(15) 昨日の続き。 それでは、①上製本『日本の民話 12 現代の民話』の「私の民話論 生きている民話」=②文庫版『日本の民話⑫ 現代の民話』の「私の民話論/――生きている民話――」から、当該箇所を抜いて置こう。①249頁3~20行め(改行…

赤いマント(326)

・五木寛之の赤マント(14) 五木寛之が接した赤マント流言については、2020年10月22日付(284)に一応の纏めをして置いた。昭和14年(1939)京城の三坂小学校1年生のとき「赤マント青マント」の噂に怯えたものと思われる。 五木氏は、2020年10月8日付(273…

白馬岳の雪女(082)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(41)「五」1節め⑦ 昨日は何とか投稿したものの、余裕がなく、その後手を入れてそれなりに整えたものの、意を尽していない。 要するに、――全国的には松谷みよ子の再話で有名になったのだろうが、地元・長野県では胡桃沢友男の…

白馬岳の雪女(081)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(40)「五」1節め⑥ 昨日の続き。 しかし、遠田氏は越中・富山県側の伝承(?)事情を調べようともしない。いや、その後、8月1日付(005)に見たように黒部川の支流・黒薙川の十六人谷伝説に注目し、富山大学のシンポジウムに参…

白馬岳の雪女(64)

・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…

白馬岳の雪女(17)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(01)はじめに① それでは、差当り「十六人谷」についての確認が終わったところで、今度こそ7月31日付(04)の続きで、8月1日付(05)に保留にした遠田勝『〈転生〉する物語――小泉八雲「怪談」の世界』の内容を検討して行こう。…