瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改装

祖母の蔵書(31)エド・マクベイン

昨日、いきなり翻訳小説を取り上げてしまったが、祖母は海外の推理小説が好きで、ドイル、クロフツ、クリスティを始めとしてかなりの冊数がある。――終戦後、恩給が停止され戦争未亡人として子供を抱え、女学校の同級生が始めた小料理屋を手伝ったり、三兄の…

祖母の蔵書(30)ドロシー・ギルマン

・集英社文庫 柳沢由実子 訳 祖母は Dorothy Gilman(1923.6.25~2012.2.2)を愛読していたようで、The Mrs. Pollifax series は全14作を揃えていた。クローゼットに13点14冊あったのだが、もう1冊も持っているのではないかと思って、仏間の硝子棚を見たら何…

祖母の蔵書(28)俳句・俳諧①

祖母は句作もしていたらしいが結社に属した訳ではなく、短歌とともに女学校以来、嗜みとして物していたらしい。まだノートや手帳類には手を着けていないので、これから実作が見付かるかも知れない。 句に関する思い出としては、――夫が戦死した後、夫の郷里に…

道了堂(94)

・「八王子の絹の道点描」(1) ケース(16.9×10.8cm)は淡い橙色の獣皮風のエンボスの厚紙で、表紙を右に開くと内側に地図(20.6×11.6cm)が黒で印刷されている。北が左で、上部は左側を折返し(4.8cm)て下を留めて葉書を引っ掛けるポケットにしているの…

祖母の蔵書(23)司馬遼太郎②

祖母は『街道をゆく』の文庫版を17冊(うち1点ダブり)所蔵していた*1。既に書いたように仏間の本棚、寝室の本棚、客間のクローゼットの3箇所に分散して収まっていたので、或いはまだ他にあるかも知れない*2。 司馬遼太郎は人気があるせいか、版元が改装して…

祖母の蔵書(18)池波正太郎①

・文春文庫『鬼平犯科帳』*1 142―1(一)1974年12月25日 第1刷・1980年12月1日 第10刷・定価 320円・301頁鬼平犯科帳 (1) (文春文庫)作者:池波 正太郎文藝春秋Amazon142―2(二)1975年4月25日 第1刷・1978年11月30日 第5刷・¥320・302頁鬼平犯科帳 (2)…

祖母の蔵書(16)平岩弓枝④

祖母のクローゼットに詰め込まれていた文庫本の、第1列には他にも平岩氏の小説が何冊かあった。 ・文春文庫 168―7『藍の季節』1978年10月25日 第1刷・1979年10月1日 第4刷・定価 280円・264頁藍の季節 (文春文庫 ひ 1-7)作者:平岩 弓枝文藝春秋Amazon168―…

祖母の蔵書(14)平岩弓枝②

7月27日付(10)に見た平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳』には続篇があるのだが、当初ざっと見たときには見当たらなかった。 しかしながら、本棚に収まっていない本を粗方片付けたので、クローゼットの中にあるものに着手して、小説らしき四六判並製本が10冊後…

祖母の蔵書(13)司馬遼太郎①

昨日取り上げた勝海舟に関する子母沢寛の小説だが、祖母は勝海舟が好きで家人は「勝海舟はお祖母ちゃまのアイドル」と言うのだが、その思入れの程を聞く機会を得なかったのは残念である。2014年5月21日付「勝海舟の談話(1)」に取り上げた角川文庫2885『氷…

祖母の蔵書(12)子母沢寛

差当り紙袋に入っているものを持って来たので、新刊の書き下ろし時代小説が中心になった。しかしそうこうするうちに7月も終わりである。今年度1回めの来週月曜の引落しに備えて健康保険税を入れて置いた。今月分の家賃を振込んで置いた。もうそろそろ本棚に…

祖母の蔵書(10)平岩弓枝①

祖母は平岩弓枝の『御宿かわせみ』が好きで、真野響子・小野寺昭主演のTVドラマも見ていたそうだが、私の家では見ておらず、私は触れる機会を逸したままである。 そんな訳で、祖母の書棚には昭和の頃からの平岩氏の本が少なからずあるらしいのだが、まだそこ…

祖母の蔵書(09)鳥羽亮③

佐伯泰英と同じく、鳥羽亮も祖母がほぼ揃えていたのは2つのシリーズで、他に何冊か不揃いのものがあった。いや、次のシリーズは5冊しか出ていないから半分以上持っていたことになるのだけれども。1冊ダブリで4冊、但し4冊とも全く同じ「朝日文庫 時代小説フ…

祖母の蔵書(03)佐伯泰英③

佐伯泰英の作品で、ある程度揃えてあったのは一昨日取り上げた双葉文庫『居眠り磐音 江戸双紙』と昨日取り上げたハルキ文庫『鎌倉河岸捕物控』だけである。 祖母は本屋にはしょっちゅう出掛けていて、当然新刊もチェックしていただろうに、一部が欠けている…

祖母の蔵書(02)佐伯泰英②

昨日取り上げた『居眠り磐音 江戸双紙』は、2019年2月から2021年3月に掛けて文春文庫から『居眠り磐音』決定版全51巻が刊行され、2019年1月から2021年1月に掛けて書き下ろし新作『新・居眠り磐音』5巻も刊行されている。双葉文庫『居眠り磐音 江戸双紙』全51…

武蔵野郷土史刊行会『多摩の歴史』(4)

・『やさしい多摩市町村の歴史』昭和五十六年二月二十五日 発行・定価 一二〇〇円・433頁・B6判並製本 標題はカバー及び本体の表紙・扉「やさしい/多摩市町村の歴史」カバー及び本体の背表紙「〈やさしい/多摩〉市町村の歴史」奥付「多摩市町村の歴史」で…

武蔵野郷土史刊行会『多摩の歴史』(3)

・『多摩の歴史 6』昭和五十年十二月一日 初版第一刷発行・定 価 一、〇〇〇円・401頁・B6判並製本 本書は取り上げる予定ではなかったのだが、明日取り上げる予定の、佐藤孝太郎「八王子市の歴史」のもう1種の増刷に絡んで来るので急遽(?)取り上げること…

道了堂(80)

・井出孫六 編『日本百名峠』(2) 本書は『日本百名山』の模倣なのだが、名数好きな人が多いためか、Wikipedia にも「日本百名峠」項がある。100の峠が一覧表になっていて便利だが「『日本百名峠』(にほんひゃくめいとうげ)は、井出孫六が1982年に発表し…

道了堂(79)

寝かせて置いたものに本格的に(と云うほどでもないが)取り組んでみると色々と課題が見付かるもので、昨日の続きを上げるべきなのだけれども、週明けに図書館で幾つか確認した上で続けることにして、今回は、先月から借りている次の本について、返却期限も…

守屋龍男『多摩の低山』(3)

・守屋龍男『多摩の低山 埋もれた道・懐かしい道38コース』(2) 5月26日付(2)では、第六刷によってメモしたけれども、今、次の4冊を手許に並べている。定価は奥付にあるもの。5月29日付「道了堂(64)」に、本書は以前何処の図書館でも見たような気がす…

道了堂(52)

当ブログでは、先月は馬場喜信の道了堂に触れた著述の確認にその大半を費やし、特に、主題の一部として扱っているかたくら書店新書45『浜街道 「絹の道」のはなし』とその論文版「「浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化」について一通り眺めて、前者の…

全国歴史散歩シリーズ13『東京都の歴史散歩』(2)

4月29日付(1)の続きで①文庫版について詳細に及ぼうかと思ったのだが、先に②新版を見て置く。 ②新書判 東京都歴史教育研究会 編・山川出版社 ・新全国歴史散歩シリーズ13『新版 東京都の歴史散歩』 『上』下町 1988年12月15日 1版1刷印刷・1988年12月25…

全国歴史散歩シリーズ13『東京都の歴史散歩』(1)

山川出版社から出ている全国47都道府県の歴史散歩シリーズ。 私はこういう簡便な本に頼るのが嫌だったので、余り世話になった覚えがない。しかし、結局碌な参考書にも巡り合わず、好い加減に歩いて現地の看板で初めてどんな場所であるのか感心するような按配…

桜井正信『滅びゆく武蔵野』(1)

桜井正信 解説/岡田沢治 写真『滅びゆく武蔵野』有峰書店 【第一集】刊行当時【第二集】刊行は予定されておらず、しばらく【第一集】が『滅びゆく武蔵野』とのみ題して刊行されていた。 その後【第二集】の制作が進んだ時点で第二刷から『滅びゆく武蔵野【…

道了堂(35)

しばらく、馬場喜信の著述を眺めて行くこととしよう。 ・かたくら書店新書23『峠と路 八王子とその周辺』1987年3月18日 第1刷発行・2008年2月11日 第3刷発行・定価800円・164頁 最後に頁付のない見開きの「〔第三刷への補記〕」がある。1頁め2~3行め、 二〇…

校舎屋上の焼身自殺(27)

2018年10月8日付「閉じ込められた女子学生(5)」からしばらく取り上げて検討した、①川奈まり子『実話怪談 出没地帯』だが、先日、図書館OPACで文庫版が出ていることを知って、借りて来た。 ②河出文庫『実話怪談 でる場所』二〇一九年 七 月一〇日 初版印刷…

八王子事典の会 編『八王子事典』(9)

・①初版の第2刷 さて、本書は好評を以て迎えられたらしい。検索して見るに、今でも都内・都下の少なからぬ公立図書館に所蔵されていることが分かった。全て細かくチェックした訳ではない(もちろん、現物を見に行っていない)が区立図書館の蔵書は全て①初版…

八王子事典の会 編『八王子事典』(2)

・装幀 昨日の続きで①初版と②改訂版を比較して見よう。 ①②ともに新書判並製本、 ①のカバーは実際の麻布を被せたかのような布目模様のビニールのカバーである。屋外で使えるよう、手に馴染み、かつ耐久性のあるものを目指したのであろう。 ②のカバーは緑色の…

白馬岳の雪女(069)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」2~6節め 10月14日付(067)にて『信濃の民話』の典拠表示について問題にしているところを引き、10月15日付(068)からは本書を離れて「信濃の民話」編集委員会について確認するため『信濃の民話』について一通り確…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(4)

昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について。 ①A5判の単行本が②A6判の文庫判になっているのだから紙の大きさは半分、しかし余白を狭くするなどして画面はそこまで縮小していない。 カバー表紙は、前回貼付した書影に見る通り、人物や標題の配置を変…

白馬岳の雪女(52)

昨日問題にした、第百書房版『アイヌの傳説』の発行日だが、HN「SYMBOL 10」の7月23日11:15 の tweet に示された再版奥付の画像には「大正十五年五月 五 日初版印刷/大正十五年五月 十 日初版發行/大正十五年五月 八 日再版印刷/大正十五年五月十四日再版…